身体に触って介護する……まではいかない「要支援」
介護というと、下の画像の通り、身体に触ってサポートするようなイメージがあるかと思います。

ご想像のとおり、画像は歩行介助と呼ばれる「介護」です。「支援」ではここまでがっちりお身体に触っての介護を行いません。皆様、まだまだしっかり自立されていますから。
要支援は重たい荷物を持つなど、生活の一部にサポートが必要な状態をいいます。もう少し正確にすると「手段的日常生活動作(IADL)」の一部にサポートが必要な状態です。
<手段的日常生活動作>
- 掃除
- 料理
- 洗濯
- 買い物
- 家事
- 交通機関の利用
- 電話対応
- スケジュール調整
- お薬の管理
- お金銭の管理
- 趣味
これらの一部にサポートが必要な方は、要支援かもしれません。
手段的日常生活動作(IADL)は、日常生活の中で取る動作のうち、複雑なものを指します。これよりもっと基本的な動作を「基本的日常生活動作」や、単に「日常生活動作」と呼びます。日常生活動作は起き上がり・移動・食事・着替え・排泄・入浴など、生きるために必要な基本的な動作ですね。
ご高齢になると、まず手段的日常生活動作から難しくなっていきます。さらにご高齢になると、生きていくために必要な日常生活動作が難しくなっていく……そんな流れです。
日常生活動作はまだ1人でできるけれど、複雑な動作の一部が難しい、つまり手段的日常生活動作にサポートが必要になった状態が要支援です。
要支援1と2
要介護認定には、要支援1と2があります。これらの違いについてもご紹介しておきましょう。
といっても、実は明確な違いはありません。下表が要支援1と2の目安です。
要介護度 | 身体状況の目安 |
要支援1 | 1人で日常生活を送れる状態 ・起き上がりや立ち上がり、食事・入浴・排泄には問題ない ・買い物や掃除などの一部にサポートが必要である ・外出時に杖が必要な方も、要支援1〜2に該当する ・要介護認定等基準時間(※1):25〜32分 ※1 要介護認定等基準時間とは、厚生労働省が定める「1日あたりの介護が必要な時間」のことです。心や身体の状況、介護の方法、認知症の状態などから計算します。 |
要支援2 | 1人で日常生活を送れるが、要支援1よりも多くのサポートが必要な状態 ・起き上がりや立ち上がり、食事・入浴・排泄には問題ない ・買い物や掃除などの一部にサポートが必要(要支援1よりもサポートして欲しいものが増える) ・外出時に杖が必要な方も、要支援1〜2に該当する ・要介護認定等基準時間:32〜50分 |
※1 要介護認定等基準時間とは、厚生労働省が定める「1日あたりの介護が必要な時間」のことです。心や身体の状況、介護の方法、認知症の状態などから計算します。
要支援1よりもサポートが必要であれば要支援2になります。これに明確な基準はありません。要介護にはならない(日常生活動作に支障はない)けれど、要支援1よりはサポートが必要……そんな場合に要支援2になります。
要支援になると、家族はどんなサポートが必要?
手段的日常生活動作の一部にサポートが必要になります。
<手段的日常生活動作>
- 掃除
- 料理
- 洗濯
- 買い物
- 家事
- 交通機関の利用
- 電話対応
- スケジュール調整
- お薬の管理
- お金銭の管理
- 趣味
といっても、これら全てができなくなる訳ではありません。
例えば「掃除はできるけど、重たい新聞の束を捨てるのは難しい」「掃除機をかけるのは簡単にできるけれど、お風呂掃除は腰が痛くて難しい」や「お料理はできるけれど、重たいモノが持てないので、お買い物が難しい」など、一部にサポートが必要になるだけです。ご家族の生活に、大きな変化は生まれません。
ですので、まだまだ自立した生活も可能です。実際、要支援にあたるだろうけれど、介護の必要性を本人も家族も感じていないので、要介護認定を受けていない人はたくさんいます。たまにご家族のサポートがあるだけでも、問題ないといえばありません。
しかし、このコラムをお読みになり、要支援がどのような状態かご理解した皆様には「要支援かも?」と思ったら要介護認定を受けていただきたく思っています。
要支援状態は1人で生活するには問題ないですが、要介護に進まないように予防する「介護予防サービス」を利用することも重要だからです。転倒の予防や、元気に社会参加することで、元気な状態を保てます。
「介護予防サービス」については、次回のコラムでご紹介しますね。