「要支援」と「要介護」に大きく分けられる


要介護認定には、大きく「要支援」と「要介護」の2種類があります。また、要介護認定されない元気な方を「自立」の状態とも言います。


要介護認定の大きな種類

状態の目安

自立

介護はまだ必要ないくらい元気

要支援

たまにサポートが必要なくらい

要介護

日常生活にサポートが必要


自立は「1人で日常生活を送れる状態」

要介護認定が取得できなかった方は「自立」と呼ばれる状態です。


起き上がりや立ち上がり、移動、食事、入浴、排泄などの「日常生活動作」に問題がなく、1人でも暮らしていけるような方が「自立」に分類されます。


「自立」の方は、介護保険はまだ使用できません。一部の介護サービスを使うことは可能ですが、料金の全額が自己負担になってしまうのでご注意ください。


要支援は「日常生活の一部でサポートが必要な状態」

日常生活のどこかで支援が必要な状態は「要支援」といいます。より詳しく言えば「手段的日常生活動作」の一部に、サポートが必要な方が分類されます。


「手段的日常生活動作」とは、掃除や洗濯、料理やお金の管理などです。これらの一部にサポートが必要な方は、要支援かもしれません。


  1. 掃除機をかけるのは簡単にできるけれど、お風呂掃除は腰が痛くて難しい
  2. お料理はできるけれど、重たいモノが持てないので買い物が難しい
  3. 入浴はできるけれど、背中は1人で洗えない
  4. 起き上がりがふらつく
  5. 外を歩くには杖やシルバーカーが必要

要支援になった方は「介護予防サービス」を使えます。有料老人ホームや訪問入浴(お家までサポーターが来てくれて、入浴を助けてくれる)、訪問リハビリ(お家にリハビリの専門家が来てくれる)などに介護保険が適用され、原則1割の自己負担で利用できるようになります。介護度があがらないように、これらのサポートを上手に活用しましょう。


要介護は「日常生活にサポートが必要な状態」

要介護認定の「要介護」には、お料理や買い物などの「手段的日常生活動作」だけでなく「日常生活動作」にもサポートが必要な方が該当します。「日常生活動作」とは、立ち上がり、起き上がり、移動、食事、入浴、排泄など、常日頃から行っている基本的な動作です。これらにもサポートが必要で、1人だけでは日常生活を送ることが難しい状態です。


  1. 起き上がりや立ち上がりが不安定で、家族に支えてもらわないといけない
  2. 1人では入浴できない
  3. もの忘れが多く、思考力や判断力の低下が認められる

要介護の方は「介護保険サービス」を使えます。より手厚い介護ケアを受けられるようになり、訪問介護(ホームヘルプ)や、特別養護老人ホーム(介護度3以上)なども利用できるようになります。



要支援

要介護

身体状態

日常生活を送るうえで、6ヶ月にわたり継続した支障があると思われる状態。または、要介護状態への進行予防に役立つ支援が必要な状態。

運動能力の低下あるいは精神的な理由により、食事・入浴・排泄などの日常動作に、6ヶ月以上の常時介護が必要な状態。

細かい分類

要支援1〜2の2段階

要介護1〜5の5段階

利用可能サービス

介護予防サービス

介護保険サービス


さらに細かい分類

「要支援」と「要介護」のなかには、さらに細かい分類があります。


  1. 要支援:1〜2 の2段階
  2. 要介護:1〜5 の5段階

これらは、身体状況や判断力・思考力などによって判定されます。

表で比較しながら確認してみましょう。


要介護度

身体状況の目安

要支援1

1人で日常生活を送れる状態

・起き上がりや立ち上がり、食事・入浴・排泄には問題ない

・買い物や掃除などの一部にサポートが必要である

・外出時に杖が必要な方も、要支援1〜2に該当する


・要介護認定等基準時間(※):25〜32分


※ 要介護認定等基準時間とは、厚生労働省が定める「1日あたりの介護が必要な時間」のことです。心や身体の状況、介護の方法、認知症の状態などから計算します。

要支援2

1人で日常生活を送れるが、要支援1よりも多くのサポートが必要な状態

・起き上がりや立ち上がり、食事・入浴・排泄には問題ない

・買い物や掃除などの一部にサポートが必要(要支援1よりもサポートして欲しいものが増える)

・外出時に杖が必要な方も、要支援1〜2に該当する


・要介護認定等基準時間:32〜50分

要介護1

日常生活のなかで介護が必要な場面がたまにある状態

・買い物や掃除、料理、洗濯などでサポートが必要である

・入浴や着替えなどの日常動作にも、身体介助が必要な場面がある

・もの忘れの症状も見られ、判断力や思考力に衰えが認められる


・要介護認定等基準時間:32〜50分

要介護2

要介護1より身体介助が必要な状態

・要介護1のときよりも、起き上がりや歩行、入浴や着替えなどで身体介助が必要である

・もの忘れも多くなり、要介護1よりも判断能力の低下が認められる


・要介護認定等基準時間:50〜70分

要介護3

自力で起き上がれない、歩行できない状態

・1人では起き上がり、立ち上がりが難しくなると要介護3になる(車椅子の使用が1つの目安)

・食事、入浴、排泄などの日常動作全般で介助が必要である

・認知症が進行し、日常生活に支障を来すこともある


・要介護認定等基準時間:70〜90分

要介護4

自力で起き上がりや歩行ができず、寝たきりの状態

・食事、入浴、排泄など、日常動作の全般に介護が必要である

・認知症によりコミュニケーション能力の低下も認められ、意思疎通が難しくなる


・要介護認定等基準時間:90〜110分

要介護5

自力での生活ができない状態

・おむつの交換や、寝返りの介助なども必要である

・意思疎通も困難になる状態


・要介護認定等基準時間:110分以上


細かく書いてあるようにみえて、曖昧な表現ですね。実際のところ、本当に曖昧です。生活様式は人それぞれで「●●ができなかったら要介護1」と、単純に判断できるものではありません。医師の診察なども反映される「医療の領域」であるため、どうしても曖昧になることをご承知ください。


要介護認定は1年ごとに更新するので、要介護度もその度に判定されます。

要介護度ごとに変わるもの

以下の表は、要支援と要介護で使えるサービスをまとめたものです。


介護保険使えるサービス一覧

引用:厚生労働省「介護保険制度の概要」


※2 平成27年4月改正の介護保険法により、介護予防訪問介護と介護予防通所介護は、地方自治体が主体となる「介護予防・日常生活支援総合事業」で同等のサービスを利用可能になりました。利用したい方は、市役所や地域包括支援センターに相談してみましょう。


在宅介護で活用されるヘルパーさんや、民間企業が運営する老人ホームは、要支援1から介護保険が適用されます(自己負担が1割・2割・3割になる)。


要介護から使えるようになる特別養護老人ホーム(自治体が運営する老人ホーム)や看護小規模多機能型居宅介護は介護度が高い人向けのサービスです。本当に必要な方にだけサービスが行き渡るようにされていますね。


介護保険の支給限度額も変わります

前述の介護予防/介護保険サービスを使うときは、介護保険が適用されます。


介護保険が適用されると、収入によって違いがありますが介護サービスの料金の1割・2割・3割が自己負担になり、残り9割・8割・7割が税金から支給されます。「病院代は自己負担が1割や3割」と同じイメージです。


しかし、支給される介護保険の金額には上限が設けられています(介護保険の支給限度額)。


上限は介護度別に設定されています。


要介護度

支給限度額

要支援1

50,030 円

要支援2

104,730 円

要介護1

166,920 円

要介護2

196,160 円

要介護3

269,310 円

要介護4

308,060 円

要介護5

360,650 円


このように、介護の仕組みには要介護度が密接に関わっています。介護保険の仕組みと、要介護度を理解して、上手に介護の仕組みを活用しましょう。