療養通所介護の特徴とは

療養型通所介護とは

療養通所介護の利用者は、要介護1から5の認定を受けている方で、とくに医療的な観察やケアが必要な方々です。


一般的な通所介護(デイサービス)では対応が難しい医療的ケアが必要な利用者が、入浴介助や食事介助、個別機能訓練などのサービスを受けるのが特徴です。


療養通所介護は医療ニーズの高い方々を対象としており、安心して個別の医療的ケアを受けられる在宅サービスといえるでしょう


療養通所介護の概要

引用:厚生労働省「療養通所介護


訪問診療や訪問看護は、利用者の自宅で提供され、主治医の指示書に基づいて医療機関と連携しておこなわれます。


同時に、療養通所介護事業所でもサービスが提供され、訪問看護ステーションと協力して、利用者に対する包括的なケアが可能です。


訪問看護と療養通所介護が並行しておこなわれることから、医療と介護、両方のニーズに対応できるのが特徴といえるでしょう。


なお、一般的な通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション(デイケア)などについては、こちらのコラムで詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。


コラム第24回「在宅介護をサポートする通所介護(デイサービス)とは?」 | シニアホームの窓口ナビ

コラム第25回「通所リハビリテーション(デイケア)とは?」 | シニアホームの窓口ナビ

コラム第26回「地域密着型通所介護とは?一般的な通所介護との違いも解説」 | シニアホームの窓口ナビ

療養通所介護で提供されるサービス

療養通所介護で提供されるサービス内容

療養通所介護でおこなわれる支援は、医療的ケアを必要とする利用者さんの健康と安全を第一に考えた以下の内容です。


看護師による医療的ケア

人工呼吸器の管理や痰の吸引、点滴による栄養補給など、専門的な医療処置を実施しています。


個別的な食事内容

食事の時間には、のみ込みの状態に合わせてトロミをつけたり、ミキサー食を提供したり、安全な食事介助を心がけています


入浴介助時の安全管理

安心して入浴できるよう、専用の設備と複数の職員で対応し、医療機器を使用している人でも入用可能です。


健康管理と病状観察

定期的なバイタルチェックや体温測定に加え、顔色や表情も観察し、利用者さんの健康状態の変化に細やかに対応できます。


リハビリテーションの提供

必要に応じて、理学療法士による関節の運動や、座位での軽い運動も取り入れています。


送迎サービスと安全配慮

送迎時には、看護師が必ず同乗しているため、医療機器を装着したまま安全に移動可能です。緊急時の対応手順も決められており、万が一の事態にも備えています。

療養通所介護事業所の運営基準

医療処置が受けられる療養通所介護では、一人ひとりに合ったケアが提供できるように、看護師の配置や医療設備など手厚い運営基準が設けられています。


項目

基準/要件

利用定員

18人以下

職員配置

利用者1.5人に対して職員1人配置が必要。看護師が常に1人以上いることが義務。介護職員も十分に配置する。

医療機器の設備

医療機器を安全に保管・充電できる設備が必要である。

設備基準

専用の部屋 • 利用者1人につき6.4平方メートル以上であって、明確に区分され、他の部屋等から完全に遮断されている。

サービスの対象地域

原則として事業所のある市町村に住んでいる人のみ利用可能。

運営の連携

市町村や地域の医療機関と密に連携し、利用者や家族の状況に対応する。

参考:厚生労働省「療養通所介護

療養通所介護のメリットと活用方法

医療的ケアが必要な方の在宅生活を支える療養通所介護は、家で暮らし続けたい気持ちに寄り添うサービスです


脳梗塞の後遺症や難病を患い長期間ベッド上の生活となり医療的ケアが必要な人も、専門の看護師が見守る環境で安心して過ごせます。


24時間体制で介護をしている家族にとって、定期的な療養通所介護の利用は心身の休息につながります。


病院のような設備と専門職のケアで、家族は安心して自分の時間を持ちながら、介護を続けられるでしょう。


訪問看護や訪問リハビリなど、ほかの介護サービスと組み合わせることで、より充実した在宅生活が望めます。

療養通所介護の利用を検討する際のポイント

療養通所介護の利用を考える際は、次のステップを参考にしてみてください。


療養通所介護を利用する大まかな流れ

ステップ1:ケアマネジャーに相談する

介護保険の認定を受けた場合、担当のケアマネジャーに療養通所介護を利用したい旨を相談します。ケアマネジャーは、利用者の健康状態や希望に基づき、サービスが適切かどうかを判断し、ケアプランに組み込みます。


ステップ2:利用する事業所を選ぶ

ケアマネジャーが紹介する、または自分で調べた療養通所介護事業所を選びます。事業所の雰囲気やスタッフの対応、提供サービス内容を確認するために見学をするのがオススメです。


ステップ3:契約・利用申込を行う

選んだ事業所と利用契約を結びます。この際、利用日や送迎の有無、費用などの詳細を確認します。事業所のスタッフが事前に利用者の状態を把握するために面談を行う場合もあります。


ステップ4:サービス開始前の準備

利用開始に向けて必要な書類(介護保険証、主治医の指示書など)を揃えます。また、体調や特別な配慮が必要な事項を事業所に伝えておきます。送迎がある場合は、利用当日のスケジュールも確認しておきましょう。


ステップ5:サービスの利用開始

契約に基づいて、療養通所介護のサービス利用を開始します。サービス提供中は、必要に応じてケア内容を見直し、ケアマネジャーや事業所と相談しながら適切な支援を受けられるようにします。


利用料金

療養通所介護を利用するには、介護保険が適用され、所得に応じて1割から3割の自己負担があります。


また、療養通所介護の基本利用単位数は要介護度に関係なく、一律12,785単位と決められています。


地域によって1単位あたりにかかる費用は異なりますが、1割負担の方の場合であれば、ひと月に約13,000〜15,000円で利用可能です。送迎費用は含まれますが、日常生活費(食費・おむつ代など)は別途負担です。


地域や事業所によって料金は異なるため、詳細は事業所に直接お問い合わせください。

療養通所介護はこのような方にオススメ

療養通所介護をオススメするのは、次のような医療的ケアを必要とする人です。


難病の方

ALS(筋萎縮性側索硬化症)やパーキンソン病など、進行性の病気を抱える方々が含まれます。これらの病気は、日常生活において特別な医療的ケアを必要とします。

がん末期の方

がんの末期にある方は、痛みの管理や緩和ケアが必要です。療養通所介護では、医療従事者が常駐しているため、適切な医療的サポートを受けられます。

脳血管障害後遺症の方

脳卒中などの後遺症により、身体機能に障害が残っている方々も対象です。これらの利用者は、リハビリテーションや日常生活の支援が必要です。

気管切開や留置カテーテルを使用している方

これらの医療処置を受けている利用者は、常に看護師による観察やケアが必要です。療養通所介護では、こうした医療的ニーズに対応したサービスが提供されます。

褥瘡(じょくそう)管理が必要な方

長時間の寝たきり状態にある利用者は、褥瘡のリスクが高く、定期的なケアが必要です。療養通所介護では、看護師による適切な管理が受けられます。


「療養通所介護」は、地域の在宅医療を支える拠点として重要な役割を果たしています。


かかりつけ医や訪問看護師との連携を密に取りながら、医療依存度の高い利用者さんの在宅生活を支える心強いサービスです。


ほかの介護保険サービスについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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