なぜ「安全な生活環境を整える」必要があるのか?
まず高齢者は若年者とくらべて、事故を起こしやすいことを十分に理解するのが重要です。
実際、東京消防庁の令和5年年齢層別搬送人員によると、70歳以上の方の救急搬送が多いのがわかります。

出典:東京消防庁「令和5年救急搬送データから見る日常生活事故の実態」
また、平成30年版高齢社会白書によると、事故発生場所としては「住宅」が最も多いのがわかります。

出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版)」
高齢者の事故は、単なる怪我では済まないことがあり、長期入院が必要となったり寝たきりや要介護状態につながったりするケースも少なくありません。
一度の事故や転倒が、その後の暮らしに大きな支障をきたすおそれが十分考えられます。
そのため、「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、後悔のないように元気なうちから生活環境を見直しましょう。
なお、高齢者の家庭内事故については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
安全な生活環境を整えるために押さえたいポイント

安全な生活環境を整えるためのポイントを4ステップで解説します。
【ステップ1】事故が発生しやすいポイントを理解する
まず自宅内において、事故が発生しやすいポイントを理解しましょう。
事故が発生しやすいポイントの例は、以下のとおりです。
【自宅内で事故が起きやすいポイント】
- 階段や上がり框(かまち)などの段差
- 滑りやすい床やカーペット
- 暗い照明(とくに夜間)
- 物が散乱している場所 など
転倒や転落などのリスクが潜んでいる場所を、詳細に洗い出すことが重要です。
【ステップ2】生活環境を整えるべき場所の優先順位をつける
生活環境を一度にすべて変えるのは難しいため、事故発生リスクの高い場所から優先的に対策しましょう。
平成30年版高齢社会白書を参照すると、「居室」「階段」「台所・食堂」「玄関」「浴室」で事故が発生しやすいことが分かります。

出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版)」
ご本人の普段の暮らしぶりや身体機能を考慮し、優先度を考えるのも大切です。
【ステップ3】必要に応じた安全対策を施す
事故発生リスクの高い場所を洗い出せたら、必要に応じた安全対策を施しましょう。
今すぐにおこなえる安全対策としては、「家具配置の見直し」や「通路の妨げとなる物の排除」などがあります。
さらには、介護保険サービスである「福祉用具」や「住宅改修」を活用すると、より安全な生活環境を整えられます。
なお、介護保険サービスの詳しい種類や内容については、以下の記事をあわせてご覧ください。
【一覧表あり】介護保険サービスとは?種類や内容を分かりやすく解説!
【ステップ4】定期的な見直しをおこなう
生活環境は、一度整えたら終わりではありません。
高齢者の体力や健康状態は年々変化していくのが予想されるため、定期的に見直す必要があります。
ご本人が安全な生活環境で暮らしていけるように、日々適切な支援をおこなっていきましょう。
【場所別】安全な生活環境を整える具体的な対策例

安全な生活環境を整えるために、場所ごとの具体的な対策例をご紹介します。
【居室(寝室)の対策例】
- 通路に不要な物を置かない
- カーペットやマットの下に滑り止めシートを敷く
- 家具の角にクッション材を取り付ける
- ベッドサイドにセンサーライトを設置する
【階段の対策例】
- 手すりを設置する
- 踏み板に色分けした滑り止めテープを貼る
- 明るいライトを設置する
【台所・食堂の対策例】
- 調理器具や食器等は手の届きやすい位置に配置する
- 濡れている床は定期的に拭く
- 自動消火機能やタイマー機能付きのコンロを導入する(火災予防として)
【玄関の対策例】
- 段差解消用の踏み台を設置する
- 手すりを設置する
- 靴の着脱や立ち上がりをサポートする座椅子を用意する
【浴室の対策例】
- 滑り止めマットを敷く
- 浴槽や洗い場に手すりを設置する
- 洗髪や洗体時のシャワーチェアを設置する
- 脱衣所の温度調節に配慮する(ヒートショック予防として)
今日からできる対策も多いため、ご自宅の環境に合わせて工夫をされてみてくださいね。
生活環境を整えるほかに今からできる対策は?

最後に、生活環境を整える対策のほかに、今からおこなえる対策を4つご紹介します。
- 規則正しい生活習慣の定着
- 定期的な健康チェック
- 日々の通院・服薬のサポート
- 介護サービスの活用
安心安全な在宅生活を送るには、日々の生活習慣や健康管理がとても重要です。
まず意識したいのは「規則正しい生活習慣の定着」です。
睡眠時間やリズムを一定に保ったり、バランスの整った食事を摂ったりするなど、日々の生活習慣が心身の健康状態につながります。
「定期的な健康チェック」や「通院・服薬サポート」などの健康管理も欠かせません。
日々の体調確認や定期的な健康診断はもちろんのこと、服薬チェックや通院サポートなどの支援が、病気の早期発見や早期治療につながります。
また、必要に応じて「介護サービスの活用」を検討するのも大切です。
訪問介護やデイサービスといった訪問・通所サービスの利用は、ご本人の安心感につながるだけでなく、ご家族のストレス軽減も期待できます。
なお、在宅生活をつづけながら利用できる介護サービスの種類に関しては、以下の記事をあわせてご覧ください。
在宅介護とは?利用できるサービスの種類や利用までの流れをくわしく解説
シニアホームの窓口ナビでは、介護に関する相談も受け付けております。
ぜひお気軽にご相談ください。