要介護で在宅介護を使うとお金はどのくらいかかる?

要介護で在宅介護を使うときにかかるお金の例として、公益財団法人生命保険文化センターの最新データを紹介します。
一時的な費用
一時的な費用とは、介護に関する福祉用具購入や住宅改修の費用などです。
介護保険制度を利用した場合は平均46万円で、利用していない場合は月額68万円でした。
介護保険を利用した場合の要介護度別平均費用は、以下のとおりです。
要介護度 | 平均費用 |
要支援1 | 44万円 |
要支援2 | 44万円 |
要介護1 | 30万円 |
要介護2 | 54万円 |
要介護3 | 42万円 |
要介護4 | 52万円 |
要介護5 | 47万円 |
参考:公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年生命保険に関する全国実態調査」
要介護度によって若干の差はあることが見てとれますね。
月額費用
月額費用として想定されているものは、介護保険サービス自己負担金および、そのほかの自己負担金です。
そのほかの自己負担金としては、以下のようなものが想定されています。
- 医療費
- おむつ代
- 介護保険以外のサービス自己負担金
在宅介護の場合、月額費用の平均は5.2万円です。
介護保険制度を利用した場合は平均9万円で、利用していない場合は月額4万円でした。
介護保険を利用した場合の要介護度別月額平均費用は、以下のとおりです。
要介護度 | 月額平均費用 |
要支援1 | 5.8万円 |
要支援2 | 7.0万円 |
要介護1 | 5.4万円 |
要介護2 | 7.5万円 |
要介護3 | 8.5万円 |
要介護4 | 12.4万円 |
要介護5 | 11.3万円 |
参考:公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年生命保険に関する全国実態調査」
要介護度が上がるにつれて、月額費用が高額になっている傾向があります。
在宅介護にかかるお金については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
在宅介護サービスを利用するときに発生するお金

在宅介護サービスを利用するときに発生するお金は、以下の2種類に分かれます。
- 毎月かかるお金
- 一時的にかかるお金
それぞれ詳しく解説します。
毎月かかるお金
毎月かかるお金は要介護度によって異なります。
ここでは、要介護度別に想定されるサービス例と自己負担額を表に示しました。
要支援1
要支援1の方が、週1回の通所介護と、週1回の訪問介護を利用した場合を想定します。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週1回) | 約1,700円 |
訪問介護(週1回) | 約1,200円 |
合計すると、想定される自己負担額は約3,000円です。
要支援2
要支援2の方が、週1回の通所介護と、週1回の訪問介護を利用した場合を想定します。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週2回) | 約3,400円 |
訪問介護(週1回) | 約1,200円 |
合計すると、想定される自己負担額は約4,500円です。
要介護1
要介護1の方が利用するサービス例と、想定される自己負担額を表に示しました。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週2回) | 約4,600円 |
訪問介護(身体介護・週2回) | 約3,100円 |
福祉用具貸与(歩行器) | 約200円 |
合計すると、想定される自己負担額は約8,000円です。
要介護2
要介護2の方が利用するサービス例と、想定される自己負担額を表に示しました。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週2回) | 約5,400円 |
訪問介護(身体介護・週3回) | 約4,700円 |
訪問看護(週1回) | 約3,300円 |
福祉用具貸与(歩行器) | 約300円 |
福祉用具貸与(特殊寝台) | 約800円 |
福祉用具貸与(特殊寝台付属品) | 約100円~500円 |
合計すると、想定される自己負担額は約1万5,000円です。
要介護3
要介護3の方が利用するサービス例と、想定される自己負担額を表に示しました。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週3回) | 約9,300円 |
訪問介護(身体介護・週2回) | 約3,100円 |
短期入所(月5日) | 約3,700円 |
福祉用具貸与(車いす) | 約600円 |
福祉用具貸与(車いす付属品) | 約200円 |
福祉用具貸与(特殊寝台) | 約800円 |
福祉用具貸与(特殊寝台付属品) | 約100円~500円 |
合計すると、想定される自己負担額は約1万8,000円です。
要介護4
要介護4の方が利用するサービス例と、想定される自己負担額を表に示しました。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週2回) | 約7,000円 |
訪問介護(身体介護・週2回) | 約3,100円 |
訪問看護(週1回) | 約3,300円 |
短期入所(月7日) | 約5,700円 |
福祉用具貸与(車いす) | 約600円 |
福祉用具貸与(車いす付属品) | 約200円 |
福祉用具貸与(特殊寝台) | 約800円 |
福祉用具貸与(特殊寝台付属品) | 約100円~500円 |
合計すると、想定される自己負担額は約2万円です。
要介護5
要介護5の方が利用するサービス例と、想定される自己負担額を表に示しました。
サービス例 | 想定される自己負担額(1割負担の場合) |
通所介護(週3回) | 約8,000円 |
訪問介護(身体介護・週1回) | 約1,500円 |
訪問入浴(週1回) | 約5,000円 |
短期入所(月13日) | 約11,000円 |
福祉用具貸与(車いす) | 約600円 |
福祉用具貸与(車いす付属品) | 約200円 |
福祉用具貸与(特殊寝台) | 約800円 |
福祉用具貸与(特殊寝台付属品) | 約100円~500円 |
福祉用具貸与(床ずれ防止用具) | 約700円 |
合計すると、想定される自己負担額は約2万8,000円です。
一時的にかかるお金
一時的にかかるお金としては、福祉用具の購入や住宅改修の費用があります。
福祉用具とは、要介護者の入浴や排泄、移動などを支えるものです。
福祉用具の種類によっては、所定の手続きにより、購入額の7~9割が介護保険で助成されるものもあります。
住宅改修とは、要介護者の自宅を対象とした、手すりの取り付けや扉の交換などの工事です。
福祉用具と同様に、所定の手続きにより、20万円を限度に改修費の7~9割が介護保険にて助成される工事があります。
福祉用具購入と住宅改修の助成制度については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
在宅介護にかかるお金は親のお金から出すのが基本

親の介護に関するお金は親が負担するのが基本とされており、実際そのように対応しているケースが多い状況です。
令和4年(2022年)国民生活基礎調査によると、要介護者の約9割が、本人あるいは配偶者の収入や貯蓄を介護費用に充てていました。
しかしこれは基本であって、状況は家族によって異なります。
親の資産状況を明確にしつつ、在宅介護に関する費用を捻出していきましょう。
もし、子どもが援助する場合は、無理のない範囲でおこなうことが大切です。
介護費用に関するお金の考え方については、以下の記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
在宅介護サービスにかかるお金を軽減する方法
在宅介護サービスにかかるお金を軽減する主な方法は、主に以下の3種類です。
- 高額サービス費制度
- 高額医療・高額介護合算制度
- 社会福祉法人等による介護サービス利用者負担軽減事業
それぞれ詳しく解説します。
高額サービス費制度
高額サービス費制度とは、1か月に支払った介護保険サービス自己負担の合計が限度額を超えたときに、超えた分が払い戻されるものです。
限度額は個人の所得によって異なります。詳しくは下記の表をご覧ください。

出典:厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」
高額医療・高額介護合算制度
高額医療・高額介護合算制度は、1年間の医療保険と介護保険における自己負担の合算額が著しく高額になる場合に、負担を軽減する仕組みです。
ここでの1年間とは、「8月1日から翌年7月31日まで」を指します。
限度額は、個人の所得や加入している医療保険制度の状況により異なります。
詳しくは、下記の表をご覧ください。

出典:内閣府「高額介護合算療養費制度 概要」
社会福祉法人等による介護サービス利用者負担軽減事業
社会福祉法人等による介護サービス利用者負担軽減事業は、低所得であり所定の要件をすべて満たす方、および生活保護を受給している方が対象です。
所定の要件には、住民税非課税世帯である、年間収入額や預貯金等が一定の基準以下である、介護保険料を滞納していないなどがあります。
問い合わせおよび申請先は、市区町村の介護保険担当窓口です。
利用を希望される方は、市区町村の窓口で「確認証」の交付を申請してください。
住民税や年間収入などの状況により、制度の対象者と認められた方には、確認証が交付されます。
確認証を交付された方は、該当する介護サービス事業所に確認証を提示することで、利用額が軽減されます。
要介護で在宅介護を使うときのお金についてはケアマネジャーに相談しよう

このコラムでは、要介護で在宅介護を使うときのお金について解説しました。
想定されるサービスや自己負担額をお示ししましたが、実際の負担額はサービスを利用される方の状況によって異なります。
「これから在宅介護サービスを利用するけれど、お金のことが気になる」という方は、ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員に相談しましょう。
各種助成制度を紹介してくれますし、制度の申請についてもていねいに説明してくれますよ。
シニアホームの窓口でも、介護に関する無料相談をおこなっています。
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