介護はチーム戦

在宅介護とはお家で介護をすることです。例えば、車椅子の方がトイレをするためのサポートするとか、料理を作れない方のために料理を作るとか、お風呂に入るためにサポートをするなどですね。こう聞くと、ご家族が仕事を辞めなければならないイメージを持たれるかもしれません。


なかには、親に介護が必要になったら、すぐにお仕事を辞める方もいらっしゃいます。大変優しい判断で、本書としてもこれを否定する毛頭ありません。


ですが、行政の介護サービスを上手に活用すれば、介護のためにお仕事を辞める必要はほとんどありません。介護は、あなたが1人で頑張る「個人戦」ではなく、地域の皆で介護する「チーム戦」に変わりました。ご家族がつきっきりにならずとも、地域のヘルパーさんや、老人ホームを活用することで在宅介護は続けられます。


<チームメンバー>

  1. 家族 → 子供兄弟姉妹・親戚・ご近所
  2. 地域包括支援センター → 専門家
  3. 社会 → 行政サービス
  4. 市区町村が提供している独自の高齢者支援サービス
  5. 介護保険制度・介護休業給付金制度
  6. 職場 → 介護休暇制度・短時間勤務等の措置・介護休業制度
  7. 居宅介護支援事業所 → ケアマネジャー
  8. 介護事業所 → 介護スタッフ
  9. 訪問診療 → かかりつけ医

「チーム皆で介護をしよう」それが今の介護です。

介護離職 問題

介護のためにお仕事を辞めることを「介護離職」と呼びます。もちろん、ご家族がお仕事を辞め、つきっきりになれば、介護を受けるご本人は安心でしょう。しかし経済的にはやはり負担が増えます。1度介護のために離職したあとに復職すると、給料が40%ダウンするというデータもあります。また、お仕事を辞めてずっとお家で介護をするようになると、社会的な繋がりがなくなります。外出する機会や気軽に人と話す時間が減ると、精神的な負担も増えるでしょう。


このコラムを読んでいる方は40〜60代の方が多いかと思います。まだまだ働き盛りの年齢です。そういった方々が介護離職をすると、社会的にも痛手です。2022年には日本全国で約7万人が介護離職をしたというデータもあります。社会にも大きなダメージを与える問題なのです。

介護と仕事の両立

では、なぜ仕事を辞めなくても介護がなぜできるのか気になりますね。まず、親の介護が始まったとしても、すぐに寝たきりになるわけではありません。日常生活の一部にサポートが必要なだけで、それ以外のほとんどのことは全く問題ない状態です(要介護1〜2。60〜70代くらいです)。このころはご家族がお仕事を辞めずに、ヘルパーさんを週に何回か使うだけでも快適に暮らせるでしょう。


80代になり車椅子や寝たきりになると、在宅での生活は厳しくなります。もちろんご家族のサポートがあれば、最後まで在宅介護も可能です。ご家族が遠方に住んでいても、老人ホームや介護施設に入居していただければ、ご家族がお仕事を辞めなくても介護は問題なく続けられます。介護施設も低価格なものなら月額8万円から利用でき、厚生年金に長年加入していた方なら問題なく支払えるでしょう。


難しいのは、介護が始まった一番最初と、車椅子に乗るようになったり寝たきりになったりして、環境が大きく変化するときです。介護が始まったときは書類作りに、車椅子や寝たきりになったときには老人ホーム探しで時間を確保しなければなりません。


介護休暇や介護休業の仕組みを使えば、有給とは別にお休みも取れます。こちらは■ページで解説しますね。


このように、お仕事を辞めずとも介護は続けられるようにサポートする仕組みがいくつもあります。国も「介護のために仕事を辞める人を減らそう」と、地域のヘルパーさんや国の制度を活用する「チーム戦」を前提に仕組みを作っています。使えるサービスをどんどん活用していきましょう。介護のコツは、無理をしないこと、頼れるものには頼ることです。