認知症になると銀行口座はどうなる?

結論から言うと、
認知症が進行し、意思能力が喪失したと判断された場合、親の銀行口座は凍結される可能性があります。
銀行としては、本人の意思が確認できない状態での取引は「無効」や「トラブル」になるリスクがあるため、
対応が厳格になるのです。
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親の代わりに子どもが口座を操作するのは可能?
「親の通帳とキャッシュカード、暗証番号も知っているから大丈夫」と考える方もいますが、
厳密には親本人以外が勝手に引き出す行為は「代理権のない出金」として違法行為にあたる可能性もあります。
銀行の窓口で子どもが「代わりに引き出したい」と申し出ても、認知症が疑われれば断られるのが一般的です。
実際に起きた口座凍結の事例
事例1:施設入居費用の引き出しができず、支払い滞納に
80代女性が認知症と診断され、施設入居が決定。
しかし入居金を娘が親名義の口座から引き出そうとしたところ、
「本人確認ができない」として凍結。急遽、成年後見人を立てることになり、入居が1カ月遅れた。
事例2:相続時に発覚した「多額の現金出金」
認知症発症後も家族が口座を利用していたが、死亡後に相続人間で問題に。
結果的に「不正出金」と見なされ、家庭裁判所で調停に。
凍結されるタイミングと理由
銀行口座が凍結されるのは、以下のいずれかのタイミングです。
- 家族や第三者が「本人が認知症」と銀行に申し出た場合
- 本人が明らかに意思能力がない状態で窓口を訪れた場合
- 医師の診断書などが銀行に提出された場合
- ・死亡届が提出された場合(=相続発生)
口座凍結されたらどうなる?生活への影響
- 公共料金の引き落としができなくなる
- 介護施設の支払いが滞る
- 必要な医療費が払えない
- 相続手続きが複雑になる
- 家族間トラブルが発生する
親の生活費を口座から引き出せないと、生活が立ち行かなくなるケースも多く、事前の備えが不可欠です。
認知症でも親の口座を使える制度「成年後見制度」
認知症で意思能力が失われた場合、最も現実的な対処法が「成年後見制度」です。
これは、家庭裁判所に申し立てて、親の財産を管理する後見人を立てる制度です。
成年後見制度の特徴
- 家庭裁判所の監督がつく
- 預金・不動産の管理が可能
- 本人の財産を守ることが目的
- 家族が後見人になれる場合もある
申立てに必要な書類
- 医師の診断書(認知症の診断)
- 戸籍謄本
- 財産目録
- 申立書類一式
費用目安
申立て費用:約1万〜3万円
司法書士や弁護士に依頼する場合は10万〜30万円程度かかることもあります。
任意後見制度と法定後見制度の違い
制度 | 内容 | 申立て時期 | 主な特徴 |
任意後見制度 | 元気なうちに将来の後見人を自分で決める制度 | 認知症になる前 | 契約が必要、公正証書で締結 |
法定後見制度 | 認知症発症後に家庭裁判所が後見人を決定 | 認知症発症後 | 家族が後見人になれない場合も |
ポイントは「元気なうちにできるかどうか」です。任意後見制度は将来を見据えた備えとしておすすめです。
親が元気なうちにできる対策
① 任意後見契約の締結
将来を見据えて、公正証書で後見人を指定しておく。
② 家族信託の検討
比較的新しい制度で、家族が親の財産を信託契約で管理できる方法。
③ 共有口座や生活用口座を分ける
生活費用の口座と資産管理用の口座を明確に分けておく。
④ エンディングノートの活用
親の意向を事前に把握するためにも、財産情報の記録は重要です。
よくある質問Q&A
Q. 認知症でも銀行に行けば引き出せますか?
A. 明らかに意思能力があると認められれば可能ですが、リスクが高く、断られるケースがほとんどです。
Q. 通帳と印鑑があれば子どもが代わりに出金できますか?
A. 原則不可。銀行では本人確認が必須です。
Q. 後見人を立てる以外に方法はありますか?
A. 家族信託や任意代理契約なども検討できますが、法的な効力を持たせるには専門家の支援が必要です。
まとめ:親の銀行口座は「元気なうちの備え」がすべて
認知症による口座凍結は、避けられないリスクです。
しかし、「まさか親が認知症になるとは…」という気持ちで先延ばしにしていると、
いざという時に対応ができません。
- 成年後見制度や家族信託などの制度を正しく理解する
- 親が元気なうちに手続き・話し合いをしておく
- エンディングノートや財産情報の整理を行う
これらの対策を今から少しずつ進めることで、将来の不安を大きく減らすことができます。
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